当ページには広告リンクを掲載する場合があります。税務・労務の届出期限や添付書類は、法人形態・雇用状況・管轄機関の運用で変わるため、必ず各窓口または専門家に確認してください。

保健所・消防署・警察署の許認可に注目が集まりがちですが、開業には税務・労務まわりの届出も並行して必要です。従業員を雇うかどうかで提出先が増えるので、早めに全体像を押さえておきましょう。窓口がいくつも分かれていて大変に感じるかもしれませんが、オンラインサービスを使えば一部の手続きはまとめて行えます。

個人事業主として開業する場合

届出名 提出先 期限の目安
個人事業の開業・廃業等届出書 税務署 開業から1か月以内
所得税の青色申告承認申請書 税務署 開業から2か月以内(最大65万円控除を受けたい場合)
事業開始等申告書 都道府県税事務所 自治体により異なる
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 従業員を雇う場合、事務所開設から1か月以内

個人事業の開業・廃業等届出書に必須の添付書類はありませんが、マイナンバーの記載が必要なため本人確認書類の提示を求められることがあります。

法人として開業する場合

届出名 提出先 期限の目安
法人設立届出書 税務署 設立の日から2か月以内
法人設立等の届出 都道府県税事務所 自治体により異なる(15日以内が目安)
法人等の設立申告書 市区町村役場(東京23区は都税事務所のみでOK) 自治体により異なる(10日以内が目安)
青色申告承認申請書 税務署 設立後3か月以内、または第1期終了日の早い方まで
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 事務所開設から1か月以内
棚卸資産の評価方法の届出書・減価償却資産の償却方法の届出書 税務署 該当する場合に提出

法人設立届出書の添付書類は、提出先によって異なります。税務署提出分は、現在は「定款等の写し」1点のみでよいとされています。一方、都道府県税事務所・市区町村提出分では、定款の写しに加えて登記事項証明書(履歴事項全部証明書など)の添付が必要です。

法人設立届出書は同じ内容のものを3部(税務署・都道府県税事務所・市区町村)用意して、それぞれの窓口に提出する形になります。法人番号は登記完了後に法人番号公表サイトで確認でき、提出期限に間に合わない場合は空欄での提出も可能とされています。

従業員を1人でも雇ったら必要になる届出

労働保険(労災保険)

  • 届出先: 労働基準監督署
  • 書類: 労働保険 保険関係成立届、労働保険 概算保険料申告書
  • 期限: 保険関係成立届は成立日の翌日から10日以内、概算保険料申告書は同50日以内が目安
  • 添付書類の目安: 法人の場合は登記簿謄本、個人事業主の場合は住民票

雇用保険

  • 届出先: ハローワーク(公共職業安定所)
  • 書類: 雇用保険 適用事業所設置届、雇用保険 被保険者資格取得届
  • 期限: 雇用開始日の翌日から10日以内が目安

社会保険(健康保険・厚生年金保険)

  • 届出先: 年金事務所
  • 書類: 健康保険・厚生年金保険 新規適用届、被保険者資格取得届など
  • 期限: 被保険者資格取得届は入社日から5日以内が目安
  • 加入義務: 法人は従業員を常時使用する場合、または常時5人以上を使用する個人事業所は加入が義務です。

就業規則・36協定も忘れずに

  • 常時10人以上の労働者を使用する事業所は、就業規則の作成・労働基準監督署への届出、および周知が義務付けられています。
  • 残業や休日出勤をさせる場合は、労働者代表との間で36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。
  • 飲食店など小売業・料理・飲食店の一部業態では、常時使用する労働者数が30人未満の事業場に「1週間単位の非定型的変形労働時間制」を適用できる特例があります。

オンラインでまとめて手続きする方法もあります

法人設立の場合、デジタル庁が提供する「法人設立ワンストップサービス」を使うと、マイナポータル上で法人設立届出書、青色申告承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、都道府県税事務所・市区町村への法人設立届出、健康保険・厚生年金保険の新規適用届などをまとめて申請できます。

マイナンバーカード(またはスマホ用電子証明書)が必要になりますが、複数の窓口を回る手間を省けるのが大きなメリットです。雇用保険の被保険者資格取得届などはe-Govといった別サービスとの併用になる点も覚えておきましょう。

各機関の管轄窓口を調べるには

税務署・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークは、いずれも所在地によって管轄が細かく分かれています。開業予定地が決まったら、それぞれの公式ページで管轄窓口と連絡先を確認しておきましょう。

開業準備の中でのタイミングの目安

  1. 法人設立または個人事業の開業届は、開業前後になるべく早めに進める
  2. 保健所・消防署・警察署の許認可手続きも並行して確認する
  3. 従業員採用が決まった時点で、労基署・ハローワーク・年金事務所への届出を進める
  4. 青色申告など税務上のメリットは、期限を過ぎると受けられないため、開業日と同時にカレンダーに登録しておく

あわせて確認したい関連許認可

  • 飲食店営業許可: 申請書に記載する法人番号・代表者情報は、法人設立の登記内容と一致させておく必要があります。
  • 食品衛生責任者・防火管理者: 法人化のタイミングで人員体制が変わる場合、資格者の再確認をしておくと安心です。
  • 深夜酒類提供・風営法関連: 法人の役員に欠格事由がないかは、風俗営業許可の審査対象にもなるため、法人設立時から意識しておくと後の手続きがスムーズです。

許認可は「保健所・消防・警察」、届出は「税務署・労基署・年金事務所・ハローワーク」と窓口が分かれているため、開業日が決まったら一覧表にしてタスク化しておくと、対応漏れを防ぎやすくなります。制度は年によって変わることもあるので、最新の期限や必要書類は各機関の窓口や公式ページで確認しながら進めてください。

開業許可の全体像も確認する

税務・労務と並行して、保健所・消防署・警察署の許認可も開業日から逆算して進めましょう。

飲食店営業許可の記事を見る