当ページには広告リンクを掲載する場合があります。消防署への届出は自治体・消防署ごとに様式や運用が異なるため、必ず管轄消防署に確認してください。

保健所の営業許可に気を取られがちですが、飲食店は火気を使うため消防署への届出も複数必要です。「7日前まで」「4日以内」など期限が届出ごとに違うので、逆算でスケジュールを組みましょう。様式や運用は消防署によって細かく異なるので、事前相談の段階で必要な届出をまとめて確認してしまうのがおすすめです。

飲食店に関係する主な届出一覧

届出名 必要になる場面 提出期限の目安
防火対象物使用開始届出書 建物・テナントを新たに使用開始するとき(規模不問) 使用開始の7日前まで
防火対象物工事等計画届出書 内装工事・間仕切り変更を伴うとき 工事着手の7日前まで
火を使用する設備等の設置届出書 ガスコンロ・オーブン・フライヤー等を設置するとき 設置の7日前まで
工事整備対象設備等着工届出書 消火設備・警報設備などの工事を行うとき 着工の10日前まで
消防用設備等設置届出書 消防用設備の設置が完了したとき 工事完了から4日以内
防火管理者選任届出書・消防計画届出書 収容人数30人以上(特定防火対象物)のとき 営業開始まで(明確な期限なし)

自治体・消防署によって様式や運用が異なるため、事前相談の際に必要な届出を消防署でリストアップしてもらうのが確実です。

各届出の添付書類・記載内容の目安

防火対象物使用開始届出書

  • 建物や建物の一部を「これから使用しようとする方」、つまりテナントの実際の使用者が届出者になります。
  • 添付書類の目安は、建物の平面図・立面図、火気設備のリスト、消防用設備の設計図書、付近見取図、防火対象物の概要表などです。
  • 正副2部を作成し、郵送対応可の消防署もあります。

防火対象物工事等計画届出書

内装の模様替えや間仕切り変更など、工事を伴う場合に必要です。工事内容の詳細、設計図面、使用する建材の種類などの添付が求められます。

火を使用する設備等の設置届出書

ガスコンロ・オーブン・フライヤーだけでなく、温風暖房機・ボイラー・給湯湯沸設備・乾燥設備・サウナ設備・ヒートポンプ冷暖房機・火花を生ずる設備なども対象になります。調理自体に火を使わない業態でも提出が必要になるケースがある点に注意してください。

工事整備対象設備等着工届出書

記入項目は、工事整備対象設備の種類、工事施工者、消防設備士の詳細、工事の種別、着工予定日、完成予定日などです。添付書類として、付近見取図、防火対象物の概要表、消防用設備の概要表などが求められます。消防用設備等の工事は、一部を除き消防設備士の資格を有する者が行う必要があります。

消防用設備等設置届出書

記入項目は、防火対象物の概要、消防用設備等の種類、工事の種別、設置工事の着工日・完成日などです。添付書類として、消防用設備等の設計図、消防用設備等試験結果報告書などが必要になります。提出後、設置基準を満たしているかの検査が行われ、合格すると「消防検査済証」が交付されます。

特に見落としやすいポイント

  • 小さい店だから不要、は誤解: 規模にかかわらず、コンロや炭火などの火気設備があれば「火を使用する設備等の設置届出書」は必要です。
  • 居抜き物件でも油断しない: 前のテナントと用途が変わる場合、防火対象物使用開始届などの再提出が必要になることがあります。
  • 届出義務者は使用する人: ビルオーナーではなく、実際に店舗を使用するテナントが届出者になるのが原則です。
  • 消防用設備の検査: 消防用設備等設置届出書を提出すると、消防署による検査が行われます。
  • 未届は重い罰則の対象: 防火対象物使用開始届を故意に提出しない、または隠ぺいした場合は、非常に重い罰則が科される可能性があります。
  • 軽微な届出違反にも罰則: 防火管理者の届出や消防用設備等の設置に関する届出を怠ると、罰金や拘留の対象になることがあります。

届出を怠った場合のリスク

前述の重い罰則に加え、消防法令違反があると、施設名や違反内容が消防機関のホームページで公表される場合があり、営業停止命令につながることもあります。一度の違反公表が信用に与えるダメージは、飲食店にとって決して小さくありません。

提出までのおすすめの動き方

  1. 物件契約前後に管轄消防署へ事前相談する。図面を持参すると話が早くなります。
  2. 内装工事がある場合、工事着手7日前までに防火対象物工事等計画届出書を確認します。
  3. 火気設備・消防設備の設置7日前までにそれぞれの設置届出書、工事を伴う場合は着工10日前までに着工届出書を確認します。
  4. 防火管理者が必要な場合は、選任・届出を営業開始までに完了します。
  5. 使用開始7日前までに防火対象物使用開始届出書を提出し、検査日程を調整します。
  6. 消防用設備の設置完了後4日以内に消防用設備等設置届出書を提出し、消防検査済証の交付を受けます。

あわせて確認したい関連許認可

  • 防火管理者: 収容人数30人以上の場合、届出とセットで選任が必要です。
  • 飲食店営業許可: 保健所の検査と消防署の検査、どちらも内装工事の完成時期に影響します。
  • 風営法関連: 風俗営業・特定遊興飲食店営業に該当する場合、用途区分の変更に伴い必要な消防用設備が変わることがあります。

保健所・警察署とスケジュールが重なりやすいタイミングなので、消防署への届出は物件契約直後にまとめて洗い出しておくのがおすすめです。書式の細かい書き方など不明点は、遠慮せず管轄消防署の予防課に問い合わせてみましょう。

物件契約から消防協議、営業許可、開店準備までの全体日程は「飲食店開業の完全ガイド」で確認できます。

防火管理者の要否も確認する

収容人数によっては、防火管理者の選任と消防計画の届出も必要です。

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